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商品開発事例

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窮すれば通ず で大ヒット 世界初のラベルライターはこうして生まれた

  • 窮すれば通ず:事態が行き詰まって困りきると、かえって思いがけない活路が開けてくる

(1) 赤字続きの厳しい状況の中から

Wpro
  • 1984年~1985年にかけて、私は某電機メーカーで「日本語ワープロ」のマーケティング担当をしていました。
  • その当時の日本語ワープロ市場は15社~16社程度が参入しており、価格競争と技術開発競争が激化しておりました。
  • 私がいた会社も後発ながら参入しましたが、赤字続きで早々に撤退せざるを得ない状況に追い込まれていきました。

(2) ユーザーニーズの徹底した分析

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  • そのような中で、私はまず300人のワープロユーザーの声を手がかりに、「誰がどんなことに苦労しているか」を徹底的に洗い出し、ユーザーのニーズをカード化していきました。

(3) 理詰めのアイディアは全てボツ

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  • 次に、それぞれのニーズカードに対応する解決策を、アイディアカードとして書き出しました。
  • しかし、それらは誰もが考えるような「平凡」なものでした。つまり競合メーカーも思いつく、すなわち差別化できないことは明らかでした
  • 「ニーズカード」や「アイディアカード」とにらめっこをする悶々とした日々が数ヶ月続きました。

(4) ニッチなニーズにフォーカス

index
  • ニーズカードの中に「狙ったところに印字したい」というカードがありました。
  • それまでのワープロはA4サイズの普通紙に印字することを想定していたので、音楽のカセットテープやファイルの背表紙などには上手く印字できなかったのです。
  • 常識的なアイディアでは、「印字ヘッドを印字開始位置に合わせて、直接印字する機構」を考案することとなります。しかしそれでは、印字ヘッドが邪魔になって位置合わせが不可能でした。

(5) 逆転(非常識)の発想

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  • 私は、「印字ヘッドを印字開始位置に合わせること」が難しいなら、逆に「印字ヘッドを印字開始位置に合わせない」としたらどうするか?を考えてみました。
  • そのとき、インスタントレタリング(文字を転写するシート)のように、「いったん別の透明シートに印字してから、それを好きな場所に再転写すればいい」という文字転写のアイディアがひらめき、それをカード化しました。

(6) あたための後にヒラメキがくる

A-HA
  • それからしばらく、また「アイディアカード」とにらめっこする悶々とした時間が過ぎ、期限切れが迫っていました。
  • そんな時ふと、例の「インレタ(文字転写)」のアイディアカードが目に留まり、一瞬のうちに「テープ印字装置」の構想が湧き上がり、それを急いでメモしました。

    所詮タイトルや名前くらいなら10文字程度印字できれば充分だ
    であれば、A4サイズの用紙に打ち出すのは無駄が多い
    印字をテープ状のものにしてやればよい
    であれば、印字ヘッドを固定にして、テープを送ればよい
    排出されたテープのカッターが必要
    キャリッジも無くなるのでかなり小型化できる
    大げさな編集機能も不要で文字削除と挿入くらいができればよい
    であれば液晶も小さなものですむ
    変換機能も単漢字変換で充分
    部品コストも抑えられ、低価格で提供できる
    裏面に粘着性を持たせればそのまま貼り付けることができる
    表面が保護膜となるので、文字の耐久性が向上する

構成外観

(7) それが大ヒット商品に・・・窮すれば通ず

TEPRA
  • その後そのアイディアは製品化され、某文具メーカーにOEM供給することとなり、1988年11月に世界初の漢字ラベルライターとして発売されました。
  • 日本語ワープロ事業が窮した中から、まったく新たな「電子ラベルライター」という商品が生まれたのです。
  • それはまさに「窮して変じ、変じて通ず」という体験でした。






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